展示台や什器に使用される代表的な素材
1.ポリとメラ
1)ポリとメラの違い
什器製作に最も多く利用されているのがポリとメラと呼ばれる化粧板だ。ポリはポリ合板、メラはメラミン化粧板の略称である。見た目はほぼ同じだが、いくつかの違いがある。
第一に大きく違うのはその硬度だ。ポリ合板は薄いポリエステル樹脂を上からコートしているだけなのに対し、メラミン化粧板はメラミン樹脂を染み込ませ、その表面はプラスチック状になっている。
そのため、ポリ合板は硬いものでひっかくとキズがつきやすい。それに対してメラミン化粧板には磨耗性、耐熱性、耐水性、耐候性がある。しかし、ポリ合板の中には耐磨耗性のある化粧合板も開発されているので一概にはいえない。
第二に製作コストが異なる。ポリ合板は、木軸にそのまま接着できるので製作も容易だが、メラミン化粧板はベースとなる面を必要とする。メラミン化粧板の厚みが0.9〜1.2mmと、とても薄いのが理由だ。その分、製作時間や材料の追加によりメラミン化粧板仕上げはことがアップする。
第三に出来上がりの重量に違いが出てくる。前述した通り製作方法が異なるのが理由だ。ポリ合板の什器は軽く、メラミン化粧板仕上げだと重くなる。
2)ポリ・メラの使い分け
使用する環境や期間、予算でポリとメラは使い分けられる。店舗什器はその耐久性からメラで製作するケースが多く、特にカウンターの天板のほとんどがメラ仕上げになる。一方イベント装飾で使用するカウンターは、軽く、安価なポリで製作する場合が少なくない。
ところが、ポリとメラを使い分ける方法もある。例えば天板だけポリで小口はメラやその逆もあるのだが、手間がかかるため敬遠する職人もいる。この方法は、ポリの小口がそのまま出てくるのでそれを隠す必要がある。その場合、メラの小口でカバーするか、小口テープというテープ状の素材でカバーする。
ポリとメラの違い | ||
ポリ合板 | メラミン化粧板 | |
価格 | メラより安価 | ポリより高い |
擦り傷 | つきやすい | つきにくい |
拭き取り | メラより取りにくい | ポリより取れやすい |
耐熱性 | メラより弱い | ポリよりも高い |
耐薬性 | メラより弱い | ポリよりも高い |
仕上げの重さ | 軽くできる | ポリよりも重くなる |
仕上げの価格 | メラ仕上げより安価 | ポリよりも高くなる |
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