【ページ内目次】
・1.大判プリントの特徴
・2.大判プリントでできること
各種プリントのデザイン及び出力
大判プリンターは、ワイドのインクジェットプリンターです。幅広のロール状メディアにプリントする機種と、印刷物を水平に寝せてプリントする機種があります。ロール状のメディアの多くは糊付きが使われ、フラットベッドタイプでは、ロールメディアだけでなく、厚紙や板といった厚みのある素材(15mm)、ブラスチック、透明PP、ガラスなど多様な素材への印刷が可能です。
幅は1200ミリまで印刷できます。長さは原則的に制限はありませんが、データ容量や施工場所により重ね貼りでつなぐケースもあります。
A0サイズ(841×1189)、B0(1030mm×1456mm)サイズといったポスターパネルや3x6判(900x1800)、4x8判(1200x2400)などの屋外看板、展示会装飾でのファサードや基礎パネル、説明パネルなど展示ブースのあらゆる面がプリントできます。
大判プリンターはA3サイズやA4サイズといった小さめのPOP等の印刷も問題なく印刷できます。また、ロールタイプのメディア印刷では、UVカットを始めとするラミネートをプリントの上から圧着し、退色や傷を防止しています。
屋外広告、いわゆる看板(サイン)のプリントには溶剤系のプリンタを用います。看板の種類で最も多いのが平看板と言われるパネル型の看板で、建物の壁面に社名を表示するタイプやスチール柱に取り付けるロードサインです。
一般的な平看板のベースは、アルミ角のフレームにアルミ複合板を貼り付けた軽量パネルで、そのアルミ複合板の上にプリントしたメディアを貼り付けています。
その他、内部照明型のサインにもプリントデータは使われます。その場合、透明や乳白の電照用メディアに出力し、貼り付けたり透明アクリルで挟んでコルトン状にしたりします。
展示装飾でのPOPとは商品訴求を目的して卓上や壁面、什器などにセットする小型看板の一種です。セッティングの利便性から多くの場合プリントした紙をスチレンボードに貼り付け、背面に脚を付けたり、専用の金具で固定したりなどします。小型のプリンターでも製作可能ですが、大型プリターを使っても文字は鮮明に印刷でき、一度のプリントで大量に製作できる利点があります。
またスチレンボードとプリンターの組み合わせは、軽くカットしやすい等の特性から、POPだけでなくポスターや製品案内等のパネル製作、作品や製品のスペック製作など多様性に富んでいます。
顔抜き看板とは、記念写真を撮るために建てられる看板の一種で、観光地やイベント会場で多く見られます。イラストや写真等の顔部分がくりぬかれ、観光客や来場者はその部分に顔を当て、記念写真を撮ったり、ちょっとした「なりきり」を楽しんだりします。
展示装飾では、顔抜き看板のデザインや組み立てシステムを考え、より安全で、楽しめるように考えます。
多く用いられる材料は、アルミ複合板とスチールやアルミのベース・スタンドです。使用が屋内・屋外、あるいは固定型か移動型かで構造もコストも大きく異なってきます。
テントや懸垂幕などに多く使用されるターポリンとは、ポリエステル繊維の生地を合成樹脂で挟んだシートです。展示装飾において、雨や風に対して強靭な特徴を持つターポリンは、横断幕や懸垂幕、各種バナー、屋外イベントのタイトル幕などに使用されています。
シート類との相性があまりよくなく(中にはターポリン仕様のシートもありますが種類が少なく)、旧来はテントカラー等の専用塗料で画工していましたが、今日、ターポリンにプリンターでダイレクトにプリントするのが一般的です。
(1)懸垂幕
デパートや大型商業施設の外部壁面に多く見られる、建物の上から下げる縦長のサインです。屋外壁面の懸垂幕は、レールと巻き上げ機能のついた専用機械でセットできるようになっています。
(2)バナー
展示装飾でのバナーは、懸垂幕のようなレールがなく、上から垂れ下げるタペストリータイプのフラッグサインです。商業施設内の吹き抜け部で多く見られる大型のバナーや柱・街路灯の側面から垂れ下げる小型バナーなどがあります。屋内の大型バナーのプリントメディアには、ターポリンのほか、防炎トロマットなどを使っています。
(3)横断幕
懸垂幕が縦長なのに対して横断幕は横長の看板です。一時的にフェンスに取り付けたり、パレードの幕などで使用されています。
(4)タイトル幕
イベント会場の大型サイン素材として使われるターポリンは、一般的にプリント後接合して製作されます。多くの場合、アルミトラスで大きな枠を作り、その枠内外にインシュロック等で固定します。
UVプリンターのホワイトインクを使って、小型のガラスや透明アクリルに直接印刷ができます。
大きなガラス面の場合は、専用の両面粘着シートを機械で圧着し、プリントしたメディアをガラスや透明アクリルの裏面から貼り込み、ガラス等と一体化したように見せることもできます。
UVプリントにより、厚紙や板(厚み15ミリまで)、布等のダイレクトプリントが可能です。
大型プリンターのホワイトインクを使って、ブラックボート仕様の特殊シートにプリントできます。黒板にオリジナルの模様やデザイン、ロゴマーク、メニューなどを印刷し、そこに金額やサービスなどを書き込みことができます。特殊シートは、チョークやチョーク仕様の鉛筆で描き、エレーザーで消すことができる特性があります。
小型から大型まで移動型PR媒体である車両のラッピング施工。
車両ラッピングとは
車両ラッピングとは、自動車や電車等の車体を広告媒体するPR方法の一つです。代表的なラッピングにラッピングバスがあります。その他、一般車両や広告自体を目的した大型車両、電車側面への広告用ラッピングなどがあります。
ラッピングの仕様には、専用のメディアやシートで車両全体を覆うオーバーラッピングや部分的に貼る方法があります。
車両ラッピングのメリットは、不特定多数の人に見てもらえる移動媒体としての特性や再剥離が可能なため、期間限定の掲出できる点などがありますが、ラッピングバスが登場するまでに、都市景観における議論を経ています。特定の地域では、ラッピングの面積や表現方法を規制してところもあります。
安全メッシュシートプリントとは
安全メッシュシートのプリントは、建築中の建物をカバーするメッシュシートへのプリントです。無機質な風景を有機的に変え、楽しめる景観づくりを目指したデザインを図ります。
壮大な梱包で知られるクリストらのアートは"wrapped project"でしたが、こちらは"covered project"です。プリントのデザインにより、建築中の建物と周りの住民との良いコミュニケーションが生まれるかもしれません。
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