福岡の空間デザイン・空間演出

ディスプレイデザインと
グリーン演出

Briefing for Display design
ken.Egami 2020/05/13

 ヨーロッパのトピアリー(topiary)は我が国でも浸透してきているようで、「日本トピアリー協会」もできている。トピアリーとは樹木を刈り込んで立体的に仕立てた造形物を指し、その歴史は古代ローマまでさかのぼる。特にイギリスやオランダで人気が高まり、17世紀後半から18世紀初頭にかけて盛んに造られたという。(『Brittnica Encyclopedia』)今日でも樹木や低木を刈り込んで、幾何学的な形や動物などが造られ、見る人を楽しませている。
 
 我が国でも古くから松などを使い鶴亀や宝船など縁起物の造形が作られていたというが、抽象的な形を船や鶴に見立てる感受性の高い造園技術だ。ナイーブな日本の見立てに対して、ヨーロッパのそれはとてもリアリスティックという違いはあるが、どちらも見て楽しむディスプレイの一種である。
 
 森林浴にはストレスホルモンの減少や副交感神経の活発化、交感神経活動の抑制などの効果があるとされるが、見るだけでもそうした働きがあるという。そして、人が緑や花を見るのも同じような効果があるとされる。花き業者によると、それは「人類が700万年もの間森の中で暮らしてきた遺伝子(DNA)によるもの」なのだという。
 
 植物は人間の欲求の一つと換言してもいいかもしれない。そう考えると、自然から離れ、システマティックになってしまった都市の人たちにとって、グリーン装飾はニーズに応える手法の一つになる。
 
 

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「七海意匠設計」とタイアップしました。作品は「七海意匠設計」によるものです。
 

Artificial Vertical Greens

壁面グリーン

 

業務内容

 

人工グリーンを使った壁面装飾


人工(フェイク)グリーンを使った装飾

人気の人工グリーンディスプレイで癒しの空間作り 


1)壁面グリーンの特徴
(1)経費の削減
 人工グーリンを使った壁面グリーンは植物に似せた人工植物を使っている。水をやる必要がなく枯れないので、世話も少なくて済むのが最大の特徴だ。そのため維持管理費が軽減できる。
 
(2)ストレス解消
 近年、ヒートアイランド現象の緩和効果が期待できるとして、ビルの壁面や屋上の緑化が推進されているが、壁面緑化の効果はそれだけでなく、都市の中で潤いを感じる光景をつくる。壁面グリーンはそれと同じように、安らぎの向上やストレスの低減といった心の癒しに働く視覚効果があるという。
 
 植物の視覚効果に関する研究では、オフィスでの視覚疲労の緩和により作業の効率アップや、医療現場でのストレス軽減、緊張感の緩和、教育現場におけるストレスレベル軽減など様々な空間環境で、肯定的な生理的、心理的効果があることが明らかになっている。*1
 
*1「室内に設置された身近な植物が人間の心身に及ぼす影響 」京都府立大学大学院生命環境科学研究科 
 
(3)人工グリーンの質的向上
 かつての造花装飾においても種類の増加や擬似性の向上は見られたが、今日の人工グリーンはシダ植物やコケ類、オリジナル植物なども追加され、その種類及び擬似性ははるかに高くなり、供給量も多くなった。
 そうした人工グリーンによるボタニカルな空間は、まるで自然をそのまま感じさせるほどだ。最近、人気急上昇のディスプレイアイテムだ。

壁面グリーン事例
壁面グリーン事例
七海意匠設計

2)人工グリーンの応用

 壁面グリーンはその特徴から人工バーティカル・グリーンとよばれている。日本だけでなく海外でも手軽なインテリアとして人気が高い。
 人工グリーンの一般的なデザイン方法は、本来は地面に生えている植物を垂直化させるアイデアだ。この方法は、昔から見られる日陰づくりや目隠しのためにつる性植物でカバーする理屈と同じだ。人工グリーン(Artificial Green)のクオリティアップにより、屋内でも自然を感じさせるようになった。
 
(1)壁面グリーンサイン(看板)
 壁面グリーンとサインを組み合わせた「平面グリーンサイン」はショッピングモールや商業施設内のサインとして多く活用され、それまで無機質だったサインを有機的な存在に変えた。有機性は緊張の緩和やヒューマニティといった心理的効果を発揮する。商業施設内では「客」の来店を促進させるだけでなく、エモーショナルな企業イメージが訴求できる。
 
(2)グリーン・ウォール
 グリーン・ウォールは人工グリーンを用い、壁面一面をカバーする方法だ。この方法は下地づくりが容易なため比較的早く施工できる。例えば、あまり広くない会議室では、ストレス軽減に効果があるかもしれない。
 
 (3)バーティカル・インテリアグリーン
 人工グリーンを空間のアクセントとして活用する方法である。例えば、柱を使ったポストタイプや壁面の中央部に横帯状やグリッド状に人工グリーンを配置する。その配置方法は自由にアレンジできる。この方法は、下地工事を必要とするため、施工に数日を要する。
 また、実際の室内用の鉢植えなどとの組み合わせでアーティスティックな演出もできる。人工グリーンなのでカットすることも可能でアレンジも自由だ。

壁面グリーン事例
壁面グリーン事例
七海意匠設計

3)壁面グリーンの設置方法

 まず最初に、それが壁面に取り付けられるような下地づくりから始まる。下地が完成したら、ブロック状の人工グリーンを取り付ける。多くの場合背面がネット状になっているので、取り付けも容易だ。葉や草の具合を見ながらアレンジしていく。しかし、壁を掘り込んだ中から生えているようにしたり、他の建材と組み合わせたモザイク状になるとある程度の工事時間を必要とする。
 
4)七海意匠設計とのタイアップ
 設置方法だけでいうと、DIY程度の技術で誰でも取り付けられそうに思えるが、このアレンジメントや設置にプロの技は欠かせない。素人によるものとプロがしたのでは全くと言っていいほど質的違いがある。
 弊社のデザインと七海意匠設計のタイアップにより、より魅力的な人工壁面グリーンの提供を図りたい。

壁面グリーン事例
七海意匠設計

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